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名曲探偵アマデウス ~ ずっと待ち望んでいた番組


チャイコフスキー作曲、ピアノ協奏曲第1番です。昔からスコアをいろいろ買ってはみるのですが、積ん読。この番組のおかげでやっと取っ掛かりができそうです。


KAY2、若い頃は音大進学志望でした。へたくそなフルートを自分で上手と勘違いし(一応、故・ジャン・ピエール・ランパル氏の「うさんくさい」直弟子(?)なんですが、その話はいずれ…)、朝から晩までフルートを吹きまくっていました。そもそも小学生の頃からのクラシック音楽好き。クラシック音楽を聴いていればそれだけでニコニコしてしまうような人間です。

そんな自分もやがて自分の才能のなさを知り、進路を大きく変えて今に至ります。

ただ、一つだけ後悔していることがあります。

音大で音楽のアナリーゼだけは勉強したかった!

アナリーゼは楽曲分析。一つの音楽の構造や音を分析し、その音楽が持つ背景、作曲者の意図を理解していく作業です。

子供の頃から多くのレコード(の時代だったんです…)を聴き、そしてその解説を穴が開くほど読んだKAY2はKAY1に対して「この曲はね、チャイコフスキーがこういう精神状態の時に作ったんだよ」と偉そうにご高説をたれるのが得意ですが、そのくせその曲がどう、チャイコフスキーの精神状態を表しているのか、理屈で理解できません。雰囲気的にはわかるのですが…。音型などから説明できるのだろうなぁ…とは感じているのですが、それ以上にはアナリーゼの経験と知識がなければ不可能なのです。

スコアを買ってみてもそういう分析はちんぷんかんぷん。一人で独学しようと思っていてもいい教材も探せません。

そんな時、このテレビ番組を偶然見てしまいました。NHKです。

最初に見たときの印象はきわめて凡庸でした。「あ、またクサイ芝居の教養番組をNHKが始めたんだぁ…」

この番組、一応、ドラマ仕立てになっており、元天才指揮者の天出臼夫(あまでうすお!)という人物が探偵事務所を開き、音楽にまつわる事件を助手の響カノン(ひびきかのん)とともに解決していくというストーリーになっています。名前のつけかたからしてふざけています。

で、ドラマをはさみ楽曲の解説があり、最後に復習として音楽全体の演奏を聴くという組み立てになっています。

このドラマ部分が、まぁ、見ていて恥ずかしくなるくらいにわざとらしい。というか、そのわざとらしさを「わざ」と制作者も出演者も狙っているようなんです。つまりドラマ部分は徹底して「おふざけ」。

というわけで、最初は目を覆ったんですが…。

解説が実におもしろいのです。音大の先生たち、あるいは演奏者たちが解説をしてくれるのですが、初心者にもわかりやすく、それでいて音型の分析など、まさに「アナリーゼの初歩!」びっくりしました。こんな番組、できたんだ!

まさかと思いました。この年になってこんな勉強ができるとは。もちろん、音大のアナリーゼなんていうのはもっともっと専門的で詳しいのでしょうが、それでも、この番組で紹介される知識の数々はCDのライナーノーツに書かれていないことが多くあります。

若い頃から後悔していたこと、少しだけ解決できました。NHKさんに感謝です。それにしても、こんな番組の企画が通る時代になったということはすごいですねぇ。10年前だったら企画をたてても通らなかったでしょう。それだけ、昨今のブームによってクラシック音楽が世の中に広まってきているということでしょうか。

ところで、先日、以前、このブログでも触れた「都民芸術フェスティバル・オーケストラシリーズ」に行ってきました。1800円でプロのオーケストラ演奏が良いホールで楽しめるというイベントです。東京都交響楽団による組曲「展覧会の絵」。ムソルグスキーのピアノ曲をラヴェルがオーケストラ用にアレンジした名曲です。とても有名な組曲で、特に冒頭のトランペットソロで始まる「プロムナード」はクラシックを聴かないという方もどこかで耳にしたことがあるのではないでしょうか。

その組曲の最後をしめくくる壮大な曲、「キエフの大門」。これを以前この「名曲探偵アマデウス」で取り上げていました。それまではその曲、「うん、壮大な曲で華麗なオーケストーレションだねぇ」くらいの感想で、それほど気に入ってはいませんでした。

ところが番組を見て、その解説を見て、今までの認識を新たにします。

この曲、もともとムソルグスキーの親友で建築家・画家であったハルトマン(番組ではガルトマンとしていました)が若くして亡くなり、その後開かれた作品の展覧会を見た印象を音楽にしたものです。キエフの大門はかつて存在した門の再建計画のためのデザインとして書かれたものだったのですが、実際には再建にいたりませんでした。ハルトマン自身もとても残念だったでしょう。しかし、ムソルグスキーは彼の追悼とも言えるその音楽の中で、最後にそのハルトマンの見果てなかった夢、キエフの大門を音楽の中で建ててしてしまうのです。その細部、たとえば、鐘楼であったり、あるいは、ロシア正教教会風のデザインであったり、そうした部分を見事に音楽で「立体的に」表しています。たとえば、「正教風メロディーの音型」であったり…。この番組ではそうした点を実際にそのメロディーを流しながら、楽譜を表示しながら、きちんと解説してくれているのです。テレビというメディアをまさに生かしきった解説です。

なぁるほど、そういう風にできていたんだ、この曲。しかも、編曲者のラヴェルは、作曲者のムソルグスキーが意図したことを100%どころか120%理解して、オーケストレーションをほどこしている…。わぁ、この楽器を使ってるのか。ピアノ原曲よりももっと効果的に意図が出ているぞ…!なんてこともわかってきます。

この解説を理解した後で音楽会で同じ曲を聴くと、感じ方がまったく違います。

キエフの大門、後半、作曲者自身がその音楽の中で完成した門の中を歩いて行く(という番組での解釈です。通常は門の描かれた絵を見ながら展覧会場を彼が歩いていると解釈するのでしょうが)部分(プロムナードの音型が出てきます)になりました。そのきらびやかな音は、ムソルグスキー自身が門を見渡しながらハルトマンに「どうだい、君の設計した門だよ。素敵じゃないか!」と言っているかのようです。聴きながら、ムソルグスキーの亡き友人への想いが痛いほど伝わってきて、思わず演奏会場で涙があふれてしまいました。

いやぁ、やっぱりいいものですねぇ。作品もいい。ムソルグスキーもすばらしい。ラヴェルもさすが。そしてその解説をわかりやすくしてくれた番組は凄い。でも、何よりもクラシック音楽って最高!

名曲探偵アマデウスのホームページです。http://www.nhk.or.jp/amadeus/index.html
放送は
BShiでは日曜日の20:00~
BS2 では金曜日の20:15~
総合TVでは金曜日の15:15~(休止あり)
となっています。

クラシック音楽は「わかる」「わからない」ではなく、聴いて「好き」か「嫌い」かでいいのだ!とよく言われますが、この番組を見ると、よぉく「わかって」しまいます!クラシックは…と敬遠なさる方もぜひ見てみてください。その日からクラシック・ファンになってしまうこと「うけあい」です。


追記その1:

この番組、現役の演奏家たちが曲の解説をしてくれるのも嬉しいです。それは音楽評論家たちとはまた異なる視点の解説が聞けるからです。そんな中でショパンの「英雄ポロネーズ」を弾きながら解説した仲道郁代さんの回は最高でした。仲道さん、解説がとてもわかりやすく感心したのですが、特に曲の中程、左手和音による16分音符の速いパッセージが34小節にわたって102回、延々と繰り返される部分。そこについて、

「慣れないと、腕がつって動かなくなり、肩も痛くなるんです。で、疲れたなぁと思う頃に、アルペジオの和音の連打があって、そこで一旦腕の筋肉を伸ばすんです。そして、再び左手和音、16分音符の繰り返しに向かう。私の大好きなルービンシュタインはこのアルペジオの部分で腕を高くあげて、格好いいんです。まさにポロネーズの神髄って感じで。でも、実は、あれは、腕をほぐしている…(笑)」

と説明されていました。これなんてのは演奏者でなければ絶対できない貴重な解説です。


追記その2:

さすがにNHKということで、この番組でも、とりあげる演奏はNHK交響楽団によるものが多いのですが、他のオーケストラの演奏も意外と出てきます。ブラームスの交響曲第1番の回ではサイトウキネン・オーケストラだったり、チャイコフスキーのピアノ協奏曲では、アルゲリッチが別府の音楽祭で弾いた懐かしい演奏が出てきました。この時のオケは東京芸術大学の特別オーケストラです。N響と他のピアニストによる同曲の演奏もたくさんライブラリーにはあるでしょうから、あえてこれを選んだというのは、番組制作者の好みによるのでしょう。今回はどんな演奏で?というのも楽しみです。


追記その3:

この番組で解説を担当なさっているお一人、藤井一興先生(ピアニストであり、埼玉にある東邦音楽大学の先生です)。よく仙川でお見かけします。喫茶店のテーブル席で相席になったことも。桐朋学園大学でも教えていらっしゃるのでしょうか。番組を見ているとついつい知り合いのように思えて声をおかけしたくなるのですが…、我慢我慢。


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